メッシュシート

コンクリートのひび割れ(クラック)抑制のためのメッシュシート敷設工法

コンクリートのひび割れ(クラック)を低減するためのメッシュシート。
軽量で扱いやすく、施工箇所の形状に関係なく敷設できます。
専用のローラーを使用し、メッシュシートを表層から10mm以下に伏せ込むことで、ひび割れ(クラック)を抑制する効果を発揮します。
メッシュシートは、コンクリートの耐久性向上とひび割れ(クラック)対策を実現できます。
作業効率が向上することで、労務費と材料費の削減にもなります。

メッシュシートの特徴
1.クラック抑制

表層クラックや構造クラック、乾燥収縮クラックを抑制 

2.軽量

メッシュロールは1本約9kgと軽く、一人で運搬が可能。コンパクトで置き場所に困らない

3.施工性

はさみで簡単に切断でき、結束の必要がなく、スペーサーブロック不要。耐アルカリ性で錆びない。設置レベル深さが一定に保たれる乾式カッターによる切断が容易

メッシュシートの仕様
  • ・ロールサイズ: 1.1m × 50m 
  • ・メッシュサイズ: 40mm × 40mm 
  • ・引張強度: 縦30kN/m 横30kN/m 
  • ・重量 約145g/
  • ・厚み 1.1mm 
  • ・材質:Eガラス・グラスファイバー + 耐アルカリ・コーティング 
メッシュシートはこんな場面で役立ちます!
1.生コン打設で

コンクリートのかぶり厚を正確に確保するために、スペーサーブロックを使用してメッシュ筋を設置します。しかし、生コンの打設時に踏んでしまい、曲がることで一定のかぶり厚を維持できない場合があります。また、メッシュ筋の重ねしろ部分の生コンのかぶり厚が不足すると、必要な強度を確保できず、施工精度によって十分な抵抗力が発揮できないことがあります。 

メッシュシートは結束の必要がなく、容易にカットできるため、施工の効率が向上します。また、スペーサーブロックが不要であることから、材料費と労務費の削減につながります。さらに、重ねてもかぶり厚に影響を与えず、メッシュシートを敷設した後に表面からタッピングローラーを通すことで、均一なかぶり厚を確保できます。 

2.生コン厚が50mm以下の施工箇所 

メッシュ筋を設置できないような薄い箇所でも、強度とクラック対策は不可欠です。メッシュシートは厚みが1.1mmのため敷設が可能であり、タッピングローラーを使用して1cm埋め込むことで強度が向上します。また、目地切りカッターを用いることで、クラックの発生を抑える効果が期待できます。 

3.屋上のシンダーコンクリート打設

メッシュ筋は重量物であるため、屋上へ荷上げする際にはクレーンなどの設備が必要になります。また、カットには力を要し、結束の工程も必要になります。屋上は建物全体への負荷軽減の観点から、軽量化が望ましいです。   

屋上シンダーコンの場合、生コンクリートの厚さが10cm以下と比較的薄いことが多く、その条件においてはメッシュシートが最適な選択肢となります。 

4.鉄骨階段

メッシュシートは、はさみで容易にカットできるため、細かい部分や狭い箇所にも適用しやすく、強度の向上やクラック対策に最適で 

メッシュシート施工プロセス
1.生コンを均した後、メッシュロールを表面に敷設
2.タッピングローラーを使い、約1cm埋め込む
3.仕上げ作業(押え、金鏝押え、刷毛引き仕上げ)を実施

 

メッシュシートポイント

・タッピングローラーを用いる事で、メッシュロールが均等に沈み、ノロが上がることで砕石が沈み、表面の仕上げ作業(均しや押え等)をスムーズに行うことができる。 

・タッピングローラーの柄が長いため、生コン均し後、踏み入れずにメッシュシートを伏せこむことができる。 

・表面付近にメッシュシートを敷設することで、乾燥収縮や構造クラック抑制に効果的である。 

・メッシュシートは生コン打設時の設置であるため、前日までの設置が不要。 

労務費や手間、運搬費用等の大幅なコストダウンに貢献。 

 

施工断面図

◻︎メッシュ筋(ワイヤーメッシュ)

良い例

・生コンの上部は強度が不足しており、 メッシュ筋の効果が発揮されない。

悪い例

・路盤の整地が均一でないため、メッシュ筋が変形する。
・メッシュ筋は生コン打設時に踏まれるなどの影響で、 均一に設置する事が難しい。
・生コンの厚みが増すと、スペーサーブロックサイズが 50mmであるため、メッシュ筋の位置が下側に 配置される。

◼︎メッシュシート

良い路盤

・生コン表層部より5~10mm下へ均一に設置できる。

悪い路盤

・路盤の状態が悪くても、表層からメッシュシートを敷設するため、路盤の影響を受けることなく、 一定の高さで敷設することができる。